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【TALK】大塚さんに聞いてみた。

大塚さんに聞いてみた

今回はじめて舞台美術を手がける林俊作くん。
いわずと知れた14歳のスーパーアーティスト。
現在「SIGGRAPH2007」の招待作家としてサンディエゴに行っています。そして作・演出は大塚雅史さん。
作家、演出家としても関西屈指の照明デザイナーとしても精力的に活動を続ける、止まらない大人代表。やりたいことがいっぱいあるから死ぬまでにできるかあせってきたと笑う40歳。
今回せっかく俊作くんと一緒にやるなら、
8f_4.jpg←こういう(ハチカイ4月号表紙)
俊作くんの世界の中に役者が入りこんで芝居がつくれたらおもしろいね、というところからスタートした「少女ファウスト」。
大塚さんにいろいろきいてみました。
(インタビュアー:吉永美和子)


「ファウスト」を題材に選んだのはどうして?

赤星マサノリ 大塚:とっかかりとして、お互いがイメージできることをスタートにしたほうがいいなと相談して、たまたま俊作くんもファウストをモチーフに絵を描いたことがあったから。衝撃的に一致した(笑)。これ(ハチカイ4月号表紙)は「少女ファウスト」とは関係のない以前の俊作くんの作品なんですけど、僕もこれを見てすぐに直感的に「ファウストだ!」と思って。なんとなく、具体的になにが、とは説明できないんですけど、すぐにあの世界観だったらお互いに自由に発想して感性をぶつけあえるんじゃないかと。俊作くんが演劇でやりたいことっていうのが、「大きな人形を造りたい」ってことだったから、ちょうどファウストの話がでたとき、「それやったら悪魔、メフィストフェレスを造りたい」ってね、すぐに(笑)。 打合せのときに、僕も例えばこんなん、例えばこんなんっていうのを用意してたんですけど、じゃあファウストで、ってすぐ決まってほんまにええのん?って(笑)。意外と簡単に決まりましたね。


今回は立体造形をつかうからキャストが少ないんですか?

大塚:今回は【Park Style】という特殊な舞台なので、いまのHEP HALLの客席部分に舞台をつくってふだん使ってる舞台もふくめて全部座布団の客席で、ちょっとした広場みたいな感じなんです。舞台サイズも間口も3間ちょっとで奥行きも2間ちょっとしかないのでね。去年は「アコースティックナイト」っていってて、要はライブもアコースティックな雰囲気をコンセプトにしてたので、芝居するときもなんとなく最初はアコースティックな芝居をイメージしてたんです。だから普段の舞台セットががっちりあって登場人物がいっぱい出て、というよりは二人か三人くらいのコンパクトは表現で上演時間も1時間くらいで、というのがスタートラインであったので結局役者二人とオブジェ一体の三人芝居になりました(笑)。

出演の赤星さんと西尾さんは大塚さんのご指名ですか?

大塚: 赤星くんにお願いしたのは、今回俊作くんと僕とがいっしょにやるというところでポイントは柔軟性だと思っていて、役者にも柔軟性と幅広さ、なんでも対応してくれるというのが重要だったので。踊りたいって言ったら踊れて、アクションしたくなったらアクションできて、遊んでっていったら遊べて、お客さんと話してっていったら話せて(笑)。オールマイティに、野球で言ったら何番でも打てる、そんな芝居ができる役者さんということで、赤星くん。彼、何でもできるから(笑)。
少女役はもともとオーディションで選ぶつもりはなかったんですけど、欲しいのが10~15歳くらいの少女だったんで、さいしょは関西の小劇場界で、10~15歳くらいの女の子をやれる役者さんで、なおかつ二人芝居なので実力を兼ね備えた人を探したんですよ。別にいないわけではないけど、赤星くんとの組み合わせというところでもひとつ新鮮味がなくて。赤星くんとよく芝居してる女優さんも多いですし、どうしようかと思って。だったらもう、そのもの少女をさがそうかと(笑)。オトナの女優がテクニックで少女をみせるよりもぜったい勝てない、ナマの少女にしか出せない表情であるとかリアクションであるとかがおもしろそうだなと思ってオーディションをして、13歳の西尾瑠衣ちゃんに決めたんです。

林俊作くんの立体造形もすごいものができそうですね

メフィスト大塚:俊作くんが作ったこの模型を本体を等身大にするんですけど、右手が身体の長さの3倍くらい長くてその先にまた顔がついてるんですよ、恐竜というか蛇の顔みたいなのが(笑)。俊作くんとやるのは思った以上に反響が大きいですね。彼の絵はね、俊作くんの脳内をのぞいてみたくなる、はじめてみたときは衝撃でしたね。絵をみてるというよりは、コンテンポラリーダンスをみに行ったときの、なんかわけわからんかったけどすごかったなあ、みたいな(笑)。とっかかりがわからないんですよ、どこから描きはじめるのかとか、さいしょに全体の完成形をどこまでイメージして描いているのかとか。あきらかに思いのままに、ではないと思うしある程度の完成形を目指しつつ描いてるとは思うけど、どこで完成のストップかけているのかがわからない。なにを訴えたいのかもわからない(笑)。挑戦的で、社会とか世の中に対する反逆心とか感じるんですけど、描いてる作家はとがった、ティムバートンみたいなとがりにとがったヤツかと思ったら、そしたら飄々としたそこらにいるとぼけーた中学生で(笑)。そのギャップがすごくて、そのほうが衝撃的やった。会って、ああやっぱり天才やって思った。こんな社会に順応して生きていけそうな顔した中学生がこんな絵を描いてる、ってことが。
だから今回は、全体としての絵を楽しんでもらって、いろいろイメージをふくらましてもらう、林俊作の絵を鑑賞するみたいな楽しみ方ができるつくりかたをしたいですね。俊作くんの絵の中でふたりが動き回ってる、刑務所から外の世界が赤星くん演じる男の目にはこういうふうに映ってる、というふうに見えたらいいなと思ってます。


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